ど素人の質問に対するプロの回答
説明を受けたことを咀嚼しきれないで書いている部分もあるので
間違った記載があるかも知れません。あしからずご了承ください。
生乾きのコンクリートに雨水がしみこんで強度が低下する?
セメントは通常、初期硬化始発は2〜2.5時間、終結は3.5〜4時間程度と言われています。11月14日に打設したコンクリートは昼間に打設完了しました。よって当日の夜間では初期硬化が終了しているため、雨水がしみこんで強度が低下することは考えられません。
参考文献:建設工事施工管理指針平成元年度版 建設大臣官房官庁営繕部監修
雨によってコンクリートの中性化が促進されて鉄筋の酸化を早める?
打ち込み後のコンクリートは5日間以上散水その他の方法で湿潤に保つ。また気温が高い場合または直射日光を受ける場合にはコンクリート面が乾燥することのないようにする。 以上 建築工事共通仕様書平成9年度版 建設大臣官房官庁営繕部監修
中性化について(やさしい建築施工の手引き 増補版より抜粋)
1.コンクリート中の水酸化カルシウムが空気中の炭酸ガスによって炭酸カルシウムとなる劣化現象。
2.コンクリート強度の低下はない。
3.中性化するとコンクリート中の鉄筋の防錆効果が失われ、鉄筋コンクリートの劣化が進行しやすくなる。
4.コンクリートの中性化は、一般的に、屋外より屋内において進行しやすい(炭酸ガス濃度が高い)。
5.AE剤を用いたコンクリートは一般的に混和剤を用いないコンクリートよりも中性化は進行しにくい。・・・当社ではAE減水剤(標準型)を採用しています。
地下室部分のコンクリートの上塗り?
当社仕様の地下室防水工事(工研シートST防水+保護モルタル)です。
気泡の混入によると思われる凹凸の今後は?
現場においてコンクリート構造体に有害な穴は見受けられませんが、仕様書記載の通り「B1ガレージ壁・天井仕様:コンクリート型枠はずし補修のまま」に準じて仕上げていく予定です。
〜日本語がわかりましぇん〜
型枠下の木片は?
型枠の上下を合わせる高さ調整の木片です。コンクリートはご存じのとおり打ち込み時は流動化していますので、1cmの隙間でも漏出することはあります。しかし強度、仕上げに影響はありません。また残った木片は撤去します。
右図、確かに木片なきあとはちゃんとコンクリートが見えます。
アンカーボルトの設置位置
12月6日基礎検査にてアンカーボルトは決められた本数を設置していること、コンクリート構造体および躯体緊結に対して有害なものはなかったことを確認しております。アンカーボルトの設置位置ですが、規則性というよりも土台材の設置位置・方法によります。
土台の構造の違いについて
最近三井ホームでは土台と根太が同一レベルになる4×4根太土台を採用しているようですが(Fig-1)、今回の場合、布基礎部分だからといった構造上の必然性があるわけではなく、スキップフロアにおけるレベル調整のために土台と根太を別レベルにしただけのことだそうです(Fig-2)。別に地盤面、基礎など別のところでレベル調整してもよかったとのこと。(Fig-3)については、スラブオンという工法だそうで、基礎パッキンを入れることによる通気をさせないためにあえてパッキンをはずしているそうです。
う〜ん、わかったようなわからないような?
土間の断熱について
この件については、素人の勝ち。当初の予定では土間からの立ち上がりの部分に、モルタル(仕上げに使う柔らかいコンクリート)を塗ってその上にタイルを張る予定だったのですが、モルタルの下に断熱材を入れていただけることになりました。
隙間について
柱の中で一番重要なのは、まぐさ(一般的に言う梁と思って頂いたらよい)を支えるまぐさ受け材(図でいうと空色のarrow head )です。その周辺にスタックといわれる木材(図の青色のarrow head)、そして内張の壁や石膏ボードを張り付けるための下地材(図の赤色のarrow head)があります。隙間があるのは下地材の下の部分で構造上問題はありません。
構造図でも確認しましたが、確かに隙間が空いていました。
通気工法について
2000年7月28日
三井ホーム株式会社
三菱レイヨン株式会社
三井ホームと三菱レイヨン
湿式の外壁通気工法を共同開発
PAW(パワーエアーウォール)工法
・下地表層のクラックの発生量を抑制
・従来の湿式通気工法に比べコストダウン
・性能表示制度の劣化対策等級で最上級を実現
三井ホーム株式会社(本社:東京都新宿区、社長:高橋邦男)と三菱レイヨン株式会社(本社:東京都港区、社長:皇 芳之)は、このたび、住宅金融公庫の融資対象全地域で次世代省エネルギー基準をクリアする、湿式仕上げ用外壁通気工法(注1)を共同で開発いたしました。サイディングなどに代表される乾式工法とモルタル塗りの湿式工法を融合した外壁下地工法で、耐久性に優れ、さまざまな仕上げ材に対応できます。
三井ホームは三菱レイヨンから下地材のセメントボードの供給を受け、自社施工の専用住宅に全国で湿式外壁仕上げ用通気工法として標準採用し、9月出荷分から対応いたします。工法の概要と主な特徴は以下のとおりです。
(注1)外壁通気工法…構造躯体と外壁材との間に通気層を設けた工法。
1. PAW(Power Air Wall)工法の概要
PAW工法はモルタルの下地材としてのデラクリートセメントボード(3を参照)と、専用に開発した樹脂混入モルタルを組み合わせた工法で、日本の気候風土・建築条件に合わせ、独自に開発した半乾半湿工法です。従来の湿式通気工法よりもモルタル塗厚を薄くできるため、施工性を高めることができ、品質確保が容易になるとともに、コストダウンを実現しました。
防火構造及び準耐火45分の国内認定を取得済であり、準耐火60分の認定を今年中に取得予定です。
2. PAW工法の特徴 (1) 施工性が向上
デラクリートセメントボードを下地とすることで、現場施工による外壁の性能を確保するために必要なモルタルの塗厚が従来より薄く、施工性・品質精度が向上します。デラクリートセメントボードの芯材は可とう性(注2)があり、曲面壁にも対応可能です。また、各種湿式系塗材、タイル、擬石材など、乾式材も含め幅広い外装材に対応できます。
(注2)たわみやすさ。利用可能曲率は当社基準では1.8mとしています。(2) 優れた耐久性
本工法はセメント系ボードと樹脂モルタルとの組合せによるセメント系複合下地であり、耐火性、耐水性、耐凍結融解性(注3)に優れています。
(注3)凍結による破損・変形がしにくいこと。(3) 下地表層のクラックの発生量を抑制
PAW工法では、下地の表層部に発生するクラックの発生量を従来の20%以下(注4)とすることができ、現場での監理負荷が低減され、安定した品質・施工精度をより容易に確保することが可能となりました。
(注4)三井ホーム社内試験による、従来の湿式外壁通気工法比。(4) コストダウン
従来の湿式外壁通気工法に比べ、約10%強のコストダウンを実現しました。
3. デラクリートセメントボード
デラクリートセメントボードは、無機軽量骨材入ポルトランドセメントを芯材とし、その表裏両面にガラス繊維ネット(耐アルカリ性)を埋め込んで補強した内外装不燃下地材のセメント系ボードです。
防火性・耐水性、耐凍結融解性、防虫・防蟻・防腐などのほか、面材内にマイクロクラック(注5)をあらかじめ発生させることにより、曲面壁に対応可能という特徴をもっています。
本製品は、製造元である世界最大の石膏ボードメーカー、USG社(United States Gypsum Company)が1980年に開発し、米国内では主に内装水廻り(バスルーム、キッチンなど)用の下地施工システムを中心に用途を拡大してきました。
三菱レイヨンでは1990年、建設省総合技術プロジェクトの新機能性外装材の研究に取り組み、デラクリートセメントボードの日本市場における施工性、耐久性の確認を行ってきました。1993年、住友商事をパートナーとしてUSG社との独占的輸入販売契約を締結、建設省認定を取得し、以来、総販売元として本製品を全国で販売しています。
(注5)曲面加工を可能とするため、ボード表面に微細孔を意図的に発生させ、ボードの柔構造を実現するもの。
4. 三井ホームの建物に採用
・ 三井ホームは次世代省エネルギー基準対応としている専用住宅について、本工法を湿式外壁の標準仕様といたします。 ・ また、本工法を採用した三井ホームの専用住宅は、先に告示された性能表示制度においては、劣化対策等級について、木造住宅の等級3(注6)が得られます。
(注6)等級3…「通常想定される自然条件及び維持管理の条件の下で3世代(おおむね75〜90年)まで、大規模な改修工事を必要とするまでの期間を伸長するため必要な対策が講じられている」建物。
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