Mar.-Jun/2000
元来私はひまさえあれば愛車の洗車をしていましたが、ガレージに停めていて雨が降ると車が汚れるのがいやで3年ほど前から屋根、シャッター付きのガレージを借りてました。これがとっても優れもの。なんせ、雨が降れば乗らなければ車は全然汚れないし、冬の霜も夏の暑い日差しからも車を保護することができます。ところが1999年夏、まったく貸し主側の都合で、契約解除を余儀なくされました。その後近場で屋根付きのガレージを探しましたが、いい物件がなくやむなく現在使用中の屋根付き2段式のガレージの上段を借りることにしました。ところが屋根が中途半端で、強い雨風の時には前輪のあたりまでは濡れてしまうし、強い雨の時には雨漏りがしてボディが濡れてしまいます。これがいやでいやで仕方がありませんでした。これが潜在的な理由です。
最近 “家造りのきっかけ” として巷でよく耳にするのは
1)史上最低の低金利
2)史上最大の住宅ローン控除
3)土地物件価格は今が底値
4)子供が入学する前に
5)ペットを飼いたい
などといった理由です。マスコミも住宅情報誌もみんな口をそろえて上記1)を謳っていますが、住宅金融公庫の場合、これは最初の10年間だけの話で11年目からは金利が跳ね上がるのを知っていますか? たとえば96年は当初10年間が3.15%、11年目以降も3.15%なので返済期間が20年を越える場合は今のほうが利率は高くなるのです。この真実をマスコミが知らないわけはないと思うのですがなぜこのことを明言せずに“史上最大の低金利”と謳うのでしょう?
それはさておいても今が買い時であると浅はかな考えを抱き、しかし我が家ではすでに4年前に3LDKのマンションを購入しており、転勤族でもあり一戸建ての家を建てることなんてできないと思っていました。
そんな2000年3月20日、知人が家を建てたと聞いたニュータウン(上の写真、まだ更地がたくさん残っていて、しかも建築ラッシュ)にふらっと訪れてみました。するとそこにはまさに桃源郷とでも言うべき閑静でお洒落な家がたくさん建っている住宅街がひろがっているではありませんか! その一角にそのニュータウンを中心として活動しているS不動産のモデルハウスを見つけたのでさっそく見学。娘たちは喜んで1階2階とはしゃぎ廻り、私たちもなかなかいい印象を持ちましたがそこの営業マンさんには全く相手にされず(資金計画について全く考えてなかったので)ちょっと悔しかったというのが直接の理由になりました。
そこからおきまりのコース、住宅展示場巡りが始まりました。毎週のように週末には市内に点在する住宅展示場に行きました。娘たちは風船やキャラクターグッズやお菓子やジュースがもらえ、しかも家の中を走り回れるので喜んでいました。おかげで靴下はいつも真っ黒になりましたが。我が家の場合、マンションの買い換えになるので、しかも土地から購入しなければならず、資金計画が一番のネックになりました。自分で資金繰りをすればよいのかもしれませんが面倒だったので資金計画もバックアップしてくれる大手ハウスメーカーに絞りました。
建築工法としては耐震性、気密断熱性、外観とも枠組壁工法がいいかなと思ってはいましたがあとはメーカーさんの資金計画次第。最終的に候補として残ったのは唯一ビルトインガレージの設計をしてくれた(以下に出てくる変形地は高低差が1mほどあり他社さんからはビルトインタイプの提案はありませんでした)三井ホーム、コストパフォーマンスのS不動産、あとで出てくるS不動産ホームが残りましたが、詳細仕様、耐久性の面でS不動産は丁重にお断り、残り2社の一騎打ち。
ある程度の資金計画が可能だという目処がたってから土地探しのためS不動産を訪れました。担当してくれたのはモデルハウスで相手にしてくれなかったS氏。このニュータウンのパンフレットを見ているとクリスマスにはどこの家もイルミネーションを着飾っている写真が載っていてもともとお洒落な家が多いのがさらに幻想的に見えました。「家を建てるならもうこのニュータウンしかない!」と堅く決心し、S氏にいくつかの物件を提示してもらいましたがこれというものがなかったため、周辺を少し見て廻りました。いくらでも更地の空き地があるのに「これらの物件はお宅の物件ではないのですか?」と訪ねると、「うちの土地だが積極的には売りに出してない土地(?、地価があがるのを待っているのか?)」とのこと。その中から眺望がよく、変形地のため割安、これしかないと思う物件があったので迷わず申し込みをしました(4月30日)。
ちょっとずれてますが、パノラマ写真。未だにこの土地は更地です。
GWは妻子が実家に潮干狩りに行っていて留守だったのでここぞとばかり間取りソフト三昧でした。なかなかいい案は浮かびませんけど・・・(^^;
そしてマンションの売買仲介契約。5社くらいに査定を依頼しあまりの安さに愕然。査定額で売れたとしても売却損は1000万は軽くオーバーしてしまいます。しかし中古物件市場は格安の新築物件が出てきており今後もどんどん厳しくなるとのことで売るなら今しかないということを痛感しました。結局2年間の瑕疵担保をつけてくれるという、このマンションの売り主であるR社に専任仲介をお願いしました(2000年5月8日)。
マンションの査定をお願いしたある不動産屋さんの方からとてもよい営業マンさんがいるからぜひ紹介したいとS不動産ホームを紹介されました。確かにとてもよい方で、最初から恒に建築設計士さん(この方がまだ若そうなのですがバリバリという感じで斬新な設計をされる方でした)と共に来られました。検討している土地が変形地であり自分でも間取りをいろいろ考えているのだけどなかなかうまくいかなくて、という話をすると早速その土地を見られ、あっと驚くプランを提案されました。それが、下図です。
検討していた土地は東、北、西三方道路に面しており、南は隣地(更地)、道路の交通量は極めて少なく、しかもどの方向も眺望が開けています(つまりどこからでも見えるのでそれを意識した家造りをしなくてはなりません)。しかも形状が6角形で、それまではどこのハウスメーカーも自分も南隣地との境界線を基線としていろいろ考えていたのですが、彼らの提案はその根底から覆されるものでしかも提案されてみると最初は何これ?、という感じでしたが慣れるにつれてだんだんとこの提案はなかなかの出来であると思うようになりました。リビングからはダイニング、和室、デッキ、吹き抜けとあらゆる方向に空間が拡がり本来のリビングの大きさよりずいぶん広く感じるもの。外観も“お船のよう”で、見る方角によっていろんな見え方をして同じ家には見えないまさにユニークな家でした。
ここで営業マンについてふれておきたいと思います。上述のようにS不動産ホームは営業マン、設計士とも文句なしで斬新なプランを出され、契約してしかるべきでした。しかし我々にとってはすでに家造りのパートナーとしてベストと思われる人物と出会ってしまっていたのです。それが三井ホームのI氏でした。I氏は30歳代前半の独身の方(いずれも推定)で人間的に非常に常識的で、資金計画についてもいろいろと打診していただき、またこちらの質問に対するレスポンスも非常に早く的確でした。話しやすいためいろいろと好きなことを言わせていただいていますが十分な対応をしていただき大変感謝しております。最終的にはI氏の存在が決め手となり5月26日、三井ホームと契約しました。もしI氏と出会ってなかったらS不動産ホームで決まっていたでしょう。
5月末、突然S不動産のS氏より連絡があり折り入ってお話があるとのことで、「電話で言えない話って何だろう?」と、まるで子供の時に悪いことをして職員室に呼び出されて、怒られに行くときのような気持ちで伺うと、「会社が倒産するかもしれない、申し込みしている土地の決済が6月中に可能ならローン特約なしで契約する(必ず決済する)という条件で何とかします」とのことでした。いろいろ考えたのですがさすがに断念するしかありませんでした。間取りプランも煮詰まってきていただけに無念。この土地の今後の行方について問うと、会社は倒産してもいずれは売り主が変わって売りに出されるだろうとのことで、それまで待てばこの変形地を買える可能性はないわけではないが可能性は極めて低く、また買えたとしてもそれがいつになるのか全くわからないとのこと。三井ホームとの契約も白紙に戻してしばらく冷却期間をおこうかとも考えましたが、性格上いったん動かし始めた家造りの手を停めることはできませんでした。
建築請負契約はいくらでも白紙解除するチャンスはありました。「いつでも解約できるしもう少し様子をみよう」と思っているうちに、知らず知らずのうちに自分の気持ちを白紙解除することはできなくなってしまっていたのです。